偏光カメラ技術資料
偏光カメラとは ・・・
複数方向の偏光子がそれぞれ画素のフォトダイオード上に形成されています(On-Chip Polarizer)。明るさと色の情報に加えて、従来のイメージセンサーでは感知できない偏光情報も得ることができます。これまで可視化や認識が困難であった検査への応用など産業分野での様々な可能性を広げます。
偏光とは?
光には、明るさ(振幅)、色(波長)、偏光(振動方向)の物理的な要素があります。 一般的な自然光や蛍光灯などの光はいろいろな方向に振動しており、その状態は無偏光あるいは非偏光と呼ばれますが、偏光板を介することで特定の方向に偏った光(偏光)を取り出すことができます。
センサー構造
従来のタイプの偏光センサーでは、偏光子はオンチップレンズ層の上に取り付けられますが、ソニーのセンサー偏光子はオンチップレンズ層の下のチップ上に形成されます。 偏光子とフォトダイオードの間の距離が短いほど、※消光比と入射角依存性が向上します。偏光子は半導体プロセス中に形成されるため、偏光子の形状と配合、均一性、質量生産性、耐久性は、従来の偏光センサーと比較して優れています。さらに、ソニー社の偏光センサーは反射防止層で覆われているため、反射を拒否し、フレアやゴーストの特性を防ぎます。
※消光比とは?
直交する偏光がどの程度完全に分離しているかを表すための指標です。偏光子や偏波保持ファイバの特性評価、偏光を利用している光学部品の位置合わせなどに使われます。
アプリケーション事例
ガラス検査(傷、汚れ検査)
画角とは、特定のイメージサイズが決められたレンズで観察する事ができる撮像範囲です。
通常、画角はレンズが無限遠にフォーカスした状態を想定して測定されます。画角は、焦点距離とイメージサイズがわかっていれば計算する事ができます。物体距離が有限の場合は、角度は使用されません。代わりに撮像可能な範囲の寸法、視野が使用されます。
タブレット充填検査
錠剤とアルミパッケージの分極度の違いにより、錠剤が充填されているかどうかを簡単に識別できます。
反射除去
偏光方向の情報により、 平面の歪みと歪みの方向の両方を識別できます。
歪み検査
偏光情報を使用して、反射を除去できます。 Sony社の偏光センサーには4方向偏光子があり、マルチ面での反射を同時に除去できます。