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3Dカメラ

構造化照明について

動機

2024年に入って3Dカメラの問い合わせを受けました。
何社かメーカーに問い合わせた結果、ジャパンボーピクセルの製品を取扱い始めました。
この3Dカメラが構造化照明技術を利用しているという事で、それが初耳の内容でしたのでちょっと内容を調べてみました。

構造化照明とは

構造化照明について調べてみました。
これはいくつかの特定のパターンをプロジェクトマッピングの様に対象物へ投影することの様です。
応用事例としては2つありました。
一つはスリットパターンを投影して、このパターンから漏れ出る光を画像解析します。ここからカメラの解像度を超えた高解像度の画像を得ようと言うのが構造化照明顕微鏡と言われるものになります。
もう一つは、物体の凹凸によって投影したパターンが歪み、その歪みの量によって表面の空間情報を得ようと言うのが構造化照明型3Dカメラと言われるものになります。今回はこの構造化照明型3Dカメラを調べていきます。

構造照明型3Dカメラの構成

照明,DMD,カメラ,画像処理回路,電源,レンズ類があるものと推察されます。*DMD(Digital Mirror Device)
ジャパンボーピクセルのカタログを見ますとRindoHFシリーズ(HF3550M,HF3570M,HF351000M,HF35130M)が該当します。
大きさは295x135x55になります。重さは2.0kgで中々ずっしりします。
光学系が入っていますので堅牢な作りとなっており、その為の重量かと思いました。

構造照明型3Dカメラの特徴

ステレオカメラは距離が離れると距離の2乗に反比例してZ軸の精度が落ちるのに比べて、構造照明型3DカメラはZ軸の繰り返し精度があまり落ちません。対象物と離れると測定範囲も大きくなります。ステレオカメラよりも視野が大きくしたいけれどもZ軸の繰り返し精度もある程度欲しい時に選択するのが良いと思います。他の3Dカメラとの比較は別の機会に掘り下げたいと思います。

構造照明型3Dカメラの原理

ここのサイトが分かり易かったです。基本的には3角測量の原理なのですが、正弦パターンを投影して解像度を高める方法もあるそうです。
市場に販売されている製品は色々とメーカー各社のノウハウがありそうです。

まとめ

同様の3角測量を利用した距離計測計としてレーザー変位計があります。こちらは0次元(1点)のみの計測となるので原理的に理解しやすいと思います。それを発展させて2次元の範囲で情報が得られるのは凄い技術だと思いました。ただ、光を利用するので光が返ってこない溝や壁は測定できないだろうと思います。また発光していたり,反射率が一部分だけ高いもしくは低い,半透明で光が屈折する,透明なども苦手な分野かと思いました。

いくつかの画像を計算してクラウドポイントデータを出力するので、実際の解像度や精度は各社の画像処理エンジンに左右されそうです。ブラックボックスの計算式があるので疑って掛かってしまうのですが、ジャパンボーピクセル殿では貸出し機の準備も可能との事ですので、借りて試してみるのが一番かと提案いたします。

2024/8/7

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